「5安全」を知ろう

安全の取り組みの歴史

人間はミスをするものであります。
どんなに完璧に行なったとしても第3者からみればミスが生じているかもしれません。
過去の事故を悔やむのは当然ですが、そのまま放置することはいけません!
その事故がまた発生しないように対策を行なうことが安全と言えます。
ここでは過去の事故を踏まえて対策をした結果、現在の法律や方針が生まれました。
その内容と変化を簡単に載せます。

T.日本の過去の大きな事故

@千日デパート火災
概要
1972年5月13日に大阪市南区(現在の中央区)に千日(せんにち)デパートで火災が起こった。
日本のビル火災史上最悪の大惨事になった。
22時27分頃に3階婦人売場より火災が出火し、死者118名、重軽傷者78名の被害だった。
原因・状況
出火原因は工事関係者のタバコの不始末である。
階段が煙突の役目をし最上階のキャバレーが大惨事になった
被害拡大原因
エレベーターが火災で停止していた。
非常誘導路に間仕切りがあり見えなかった。
避難扉も客が飲み逃げしないように外側から鍵が掛かっていた。
A東名高速飲酒運転事故
概要
1999年11月28日に飲酒運転のトラックが普通自動車に衝突し幼い姉妹が亡くなった事件である。
原因・状況
加害者の不自然な蛇行運転の通報あった。
料金所では支払いのカードを探すのに時間が掛かったので職員が
路肩に移動させて探させ運転手に降りてもらった時には足がふらついていた。
休んだほうがいいと言ったが、風邪薬を飲んだから大丈夫と言い運転を再開したのちに起きた。
この事件との関連
2000年に神奈川県座間市で飲酒運転の事故が発生し大学生が亡くなった。
当時の量刑があまりにも軽すぎた事で法改正の署名運動を行った。
対策
2001年11月に危険運転致死傷罪が新設
B歌舞伎町ビル火災
概要
2001年9月1日に東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルで火災が発生した。
44名が死亡し、戦後の日本での火災事件で5番目のビル火災となった。
原因・状況
ビル3階のエレベーター付近から出火した。
44名全員が一酸化炭素中毒で亡くなった。
被害拡大原因
従業員は避難誘導をしないで窓から脱出していた。
防火扉は酒瓶やモップなどで階段が塞がれていた。
避難通路が十分に確保されていなかった。
火災報知器の誤作動がよく起きるため電源を切っていた。
4階の火災報知器は内装材で覆い隠されていた。
対策
2002年10月25日に消防法が改善

 

U.外国の過去の大きな事故

@英国ICI社のナイロン原料工場での爆発火災
概要
1974年にナイロン原料工場において爆発火災が発生し10名以上の従業員が死亡した。
原因・状況
仮配管のフレキシブルチューブが本配管と誤認されていて
そのため金属疲労によって大爆発した事故である。
対策
労働安全衛生マネジメントシステムを提唱
A2001年 アメリカ同時多発テロ事件
概要
2009年9月11日にアメリカ合衆国で起きた衝撃的な事故です。
この事故での死者は2749人である。
原因・状況
世界貿易センタービルに1機の飛行機が突入して爆発炎上した。
最初は航空事故かと思っていたが、2機目も突入したことによって、
事故ではなく故意であると断定した。
これでジェット燃料が縦シャフトを通って下層階まで行き、大爆発となった。
次いで火災の熱による鉄骨の破断でタワーは強度を失い、
突入を受けた上部から砕けるように崩壊した。
被害拡大原因
2000年に神奈川県座間市で飲酒運転の事故が発生し大学生が亡くなった。
当時の量刑があまりにも軽すぎた事で法改正の署名運動を行った。
対策
日本では地下鉄のゴミ箱を撤去
警察官を多く配置して日本へのテロ対策の強化

V.過去の事件からの改善

2001年に新大久保駅で起きた事件をきっかけに改善されていった出来事。
改善1
駅での酒類の販売を一時休止
改善2
非常停止ボタンの設置
改善3
労働安全衛生マネジメントシステムを提唱
改善4
ホームステップの取り付け
改善5
ホームドアの設置
改善6
転落感知マットの設置

このように改善されていったが現在の駅での事故は頻繁に起きています。
なぜこのような設備を設置したのにも関わらず事故は起きるのでしょうか?
駅のホームから転落したら人は本能的に助けに線路に降りてしまうのです。
これが原因で2次災害につながる場合が多くなります。
では、どうするのか?
設置をしたら一般の人にも分かり易い様に説明する。

改善1
駅の柱に付いているボタンを押すと運転手に停止を知らせる。
改善2
ホームの下にスペースがあり落ちた場合は逃げ込む事ができる。
改善3
線路に落ちた場合ホームに階段上の足掛が付いている。
改善4
電車が来るまで扉が開かない可動式の柵である。
改善5
線路に人が転落したら運転手に伝わるシステムである。

これらを日々アナウンスするか、見やすいように表示することです!
以上の事が周知されていれば防げる事故が増えるはずです。
教育と表示の必要があります。

 

W.日本と海外での安全意識の違い

分かりやすい具体例で示すと・・・・・・
棚の上のダンボールを脚立を使用して昇降し、抱えて降りてくる。
日本ではこの場合、昇降中に転落しないように注意しよう
と、ほとんどの人が考えるはずです。
しかし、イギリスの場合は
転落して頭を強く打って大怪我をする
という考えになります。

しかも過去に同じ事故が発生した場合の数値は、
 危険の評価 →9  
 危害発生危険→7
 リスクの判定→5
となり総合評価は9×7×5=315となります。
これはランクS(241以上)となり重大リスクでリスク低減まで業務上禁止の扱いになります。
これが日本ならすべてにおいて仕事が出来なくなりますよね・・・・・・・