
リスクアセスメントは日本では歴史が浅く指導方法も確立していない。
                      まずは手順や数値にこだわる必要はないので
      継続して改善していくことが大事です。
      ここでいう継続して改善とはどういうことを意味するものなのか?
                      単に労働災害が減った、ひやり・はっとが減った、という改善を指すわけではありません!
                      システムを継続して改善していくことなのです。
                      だから、細部に関しては決められた方法や手順がないのです。
                      しかし、もちろんその結果として労働安全衛生の改善につながっていかないと意味を持ちません!!
      だから、最初はリスクアセスメントの初級編として簡単に行なって下さい。
      そもそも勝手にリスクアセスメントを変更してもいいものなのか?
                      と思う方々もいると思います。
                      リスクアセスメントは労働安全衛生マネジメントシステムの一環であり、
                      それは継続的に改善することが前提であるので、
                      最初から無理に難しい事をやる必要はありません。
      しかし、これを教育することは大切であります。
      教育とは・・・・・・・
                      調べると、人間が潜在的に持つ様々な能力を引き出したり、
                      人がそのままでは持たない知識・技能・態度などを身につけさせたりという手段によって、
      個人がより良い方向へ発達し、またそれによって社会が維持・発展することを目指した活動である。
      これを簡単にすると、
      伝える ⇒ 説明する ⇒ 教える
                    のサイクルが教育である、ということになります。
組織の物又は環境に関しての危険性又は有害性を探します。
      簡単に言うと、職場で危険だと思われた事をひたすら下記のように書き出して下さい。
T    | 
          U  | 
        ||
| 何をしていた時 | 何が起きそうだった | ケガの程度  | 
          対策  | 
        
| 書庫を持っていた時 | バランスを崩して転倒した | 青  | 
          なし  | 
        
| タンスを2人で運んでいる | 息が合わずに転倒した | 青  | 
          教育中  | 
        
| ダンボールを運んで | 足に落とした | 青  | 
          なし  | 
        
| 雨の日に | 床で滑った | 青  | 
          表示  | 
        
| 安全通路に物で | 躓いた | 青  | 
          教育中  | 
        
| 台車を押している時 | スロープ゚で荷が落ちてぶつかった | 黄  | 
          教育済  | 
        
| カッターを使用して | 指を切った | 黄  | 
          備品  | 
        
| キャビネットの上の物を取る時 | 積荷が崩れた | 黄  | 
          教育中  | 
        
| 積まれたダンボールを取る時 | 荷が崩れて当たった | 黄  | 
          なし  | 
        
| 脚立を使用して | ロックが掛かっていなく転落しそうになった | 黄  | 
          教育中  | 
        
| ピット内清掃 | 天井に頭をぶつけた | 黄  | 
          なし  | 
        
| 青ベニの上を歩いていた | 滑った | 黄  | 
          表示  | 
        
| 混在作業で | 上部から物が落ちてきた | 黄  | 
          なし  | 
        
| 階段を上っている | 転落した | 赤  | 
          なし  | 
        
| 夏場に | 熱中症になった | 赤  | 
          教育中  | 
        
| 安全帯を使用して | ロープに不備があった | 赤  | 
          なし  | 
        
| 電動工具を使用して | 漏電した | 赤  | 
          教育中  | 
        
| プラグを指す時 | 感電した | 赤  | 
          なし  | 
        
| 有機溶媒で | 気分が悪くなった | 赤  | 
          教育済  | 
        
以下省略・・・    | 
        |||
Tを集団、個人で書いて下さい。 
      ケガの程度は皆さんの信号機に対する感覚でいいです
      
        Uは組織が現在行っている対策を下記から選択して下さい。 
         なし  対策なし
         表示  注意看板や注意表示、色彩で対策をしている
         備品  手袋を着用する、マスクをするなどの備品で対策をしている
         教育中 現在は教育段階であること
         教育済 教育課程が終了したこと
      
組織で対策の項目を集計して下さい。
集計  | 
        ||
| なし | 対策なし | 27個  | 
        
| 教育中 | 現在は教育段階であること | 18個  | 
        
集計  | 
        ||
| 教育済 | 教育課程が終了したこと | 5個  | 
        
| 表示 | 注意看板や注意表示、色彩で対策をしている | 6個  | 
        
| 備品 | 手袋を着用する、マスクをするなどの備品で対策をしている | 9個  | 
        
| 新 | 新しい危険性又は有害性 | 0個  | 
        
以上、ここまでを第1回目とします。
      ケガの程度が赤の危険性又は有害性に関しては早急に対策を取る必要があります!
      
第2回目を1ヵ月後あるいは半年後、1年後に行います。
        その中で『何をしていた時』、『何が起きそうだった』が増えていても構いません。
        それは新しい危険性又は有害性を見つけ出したことになります。
      
↓行動した結果
集計  | 
          前回比較  | 
        ||
| なし | 対策なし | 23個  | 
          (-4)  | 
        
| 教育中 | 現在は教育段階であること | 18個  | 
          (±0)  | 
        
集計  | 
          前回比較  | 
        ||
| 教育済 | 教育課程が終了したこと | 9個  | 
          (+4)  | 
        
| 表示 | 注意看板や注意表示、色彩で対策をしている | 8個  | 
          (+2)  | 
        
| 備品 | 手袋を着用する、マスクをするなどの備品で対策をしている | 13個  | 
          (+4)  | 
        
| 新 | 新しい危険性又は有害性 | 6個  | 
          (+6)  | 
        
1.『なし』の対策が減っているので、改善されたことになります。
      2.『教育中』は18個〜18個で変わりませんが、
        
      『なし』の対策として『教育中』なのか『教育中』が『教育済』になったことも考えられます。
      3.『教育済』、『表示』、『備品』の対策が増えているので、改善されたことになります。
      4.『新』に関しては発見された危険性又は有害性なので第3回目までに対策を取る必要があります。
これらを必ず記録して保存することが大事です!!
このように、回を決めて集計し継続的に改善して行なう事がリスクアセスメントであり、
      労働安全衛生マネジメントシステムになります!!!!
このシステムを次のSTEPへつなげます。
      それはリスクアセスメントの中級編で教えていきます。